COLUMN

連載第36回 独断と偏見! 間取り・設備のアドバイス ⑩庭・外構

2021.11.17

家庭という言葉は、「家」と「庭」と書きます。

家と庭が調和することで初めて生まれる豊かな暮らしがあります。美しい庭をまとうと、家がもっとすてきに見えます。

庭は身近な自然です。ふとした時、心に感じる小さな幸せ。窓から見える庭の植物や鳥たちが何気ない普段の暮らしに彩りを添えてくれます。土をいじり、植物と戯れ、庭を愛でるスローな暮らしは、一戸建てならではの贅沢です。

「庭育」という言葉があるように、庭は子どもたちの心や感性を育ててくれます。土とつながり、生き物とつながる。未来を担う子どもたちのためにも、庭のある暮らしを経験させてあげましょう。

庭をウッドフェンスで囲めば、外からの視線をカットしつつ、BBQやプールなどを楽しむことができます。庭はそんな幸せを描く場所。ささやかな庭での出来事が、食卓の会話を弾ませます。

広い庭が取れない場合、建物をコの字型に配意して中庭を囲むという設計手法もあります。


中庭は、交通量の多い立地や住宅密集地など、南面に大きな窓を付けられない家にも最適。上空から満遍なく光が降り注ぐので、プライベシーを確保しつつ、カーテンの要らない、明るくて開放的な住環境が実現します。


二世帯住宅の場合は、ほどよい距離感を保つための緩衝帯にもなりますね。

土地が狭くて庭が取れない、でもどうしても自宅でBBQをしたい。そんな人には、屋上庭園がオススメ。視線を遮りながら、360度のパノラマビューを楽しむことが可能です。グランピングやホームシアターも楽しめるし、夏は花火大会の特等席にもなります。

ただし、排水路の確保だけは抜かりなく。人智を超えるゲリラ豪雨などにより、屋上に溜まった水の行き場がなくなると、室内に入り込む恐れがあるからです。

外構(エクステリア)も家づくりにおいてとても重要なポイントです。家の第一印象を決める「顔」と言ってもいいでしょう。よく、「外構は自分たちでボチボチやるので、とりあえず要りません」という施主さんがいますが、まずやらないですね。中には駐車場用のコンクリートさえ打たず、永遠に砂利のままという人もいます。



最初から予算に組み込んでおけば、引き渡し時に家と外構のバランスがとれた美しい外観になるはずです。

外構計画は後回しにせず、建物と同時進行でプランニングしましょう。たとえば、玄関へ続くアプローチは、雨の日に滑らない安全性の高い素材を使い、家庭菜園や花壇は、掃除やお手入れのしやすさを考えて創ると、後々ラクです。


庭に植える木は、建物や人よりも長生きするので、どこに何を植えるのか、設計士と一緒に森林公園や造園業者に足を運んで慎重に選ぶことが大事です。

また、外構は住まう人の感性や想いを伝えることができるので、門柱やパーゴラ、オーニング、ポストや表札、門灯などで上手に演出すれば、家の満足度がさらに高まると思います。




text. 木村 大作

毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住

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