連載 第30回 独断と偏見! 間取り・設備のアドバイス ④ダイニング

キッチンは、ただ調理をするためだけの場所ではなく、もはやインテリアの主役と言えるでしょう。
おうち時間が長くなった今は料理をするご主人も増えてきましたが、やはり奥さまが家づくりの打合せでいちばん楽しみにしているのはキッチンではないでしょうか。
デザインは、キズや熱に強いセラミックトップのキッチンが流行っていますが、レストランの厨房のようなオールステンレスや、無機質なモルタル造りのキッチンもよく見かけます。
また、木とアイアンを組み合わせたフレームキッチン、見せる収納棚にかわいい雑貨を並べたカフェスタイルのオープンキッチンも多いですね。
納得住宅工房の家でも多く採用されているアイランドキッチンは、宙に浮かび上がるようなデザインが素敵で、使い勝手も充実しています。
ただ、アイランドキッチンは、リビングやダイニングから丸見えになるので、毎日のお手入れが苦にならない、きれい好きな方に向いているとも言えます。
私が以前取材して好感を持ったのは、キッチンが壁付けで、作業台が別になっているタイプ。そこで娘さんとケーキを作るのが趣味という奥さまの笑顔が印象的でした。
ほかには、コの字型、L字型のキッチンも作業しやすそうです。ただし、この場合、生活感を隠したいなら冷蔵庫の位置をどうするか、検討が必要になってきます。
キッチンは、調理のしやすさや片付けやすさなど、機能性が求められる空間です。物があふれがちになるので、収納をどう確保するかがポイント。カップボードを充実させるのはもちろんですが、キッチンと勝手口の間にパントリーを作るべきでしょう。非常食やビールのケース、お米、ペットフードなどもここにまとめて収納できます。
私の妻が後悔しているのは、予算をケチって食器洗い乾燥機(食洗機)を付けなかったこと。「迷ったときはやめておく」が彼女の信条ですが、これだけは失敗したとずっと悔やんでいます。楽をしたいからではなく、洗った食器を乾かすための置き場所が足りないんですね。
隠す場所がないと、不意にお客さまが来たときに困ります。みなさん、食洗機はあった方がいいですよ。
家族の様子が見える位置にキッチンを配置するのは当然ですが、テラスや中庭の近くにあると、BBQやホームパーティの準備が楽になります。
大人が数人入っても窮屈に感じないよう、キッチンの作業スペースにゆとりを持たせることもお忘れなく。
先日取材した料理好きな女優さんが、「食べてくれる人のことを考えながら作る料理は、私にとって最大の愛情表現。キッチンは食の処方箋のような場所です」と仰っていました。それだけ大切な空間ということですね。
キッチンは、使う頻度が高い人の好きなように整えてあげることが大事。夢や憧れがカタチになると、料理に向かうときのモチベーションも高くなると思います。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住


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