連載 第29回 独断と偏見! 間取り・設備のアドバイス ③リビング(後編)

ダイニングは、1日のスタートになる場所であり、1日を終える場所でもあります。
だからこそ、家族みんなが美味しい料理と楽しい会話をシェアできるよう、気持ちよく過ごせる空間にしたいものです。
慌ただしい日々の中、家族が顔を合わせて食卓につくときぐらいは、電気をつけずに明るい空間で食事をしたいですね。
人間の身体は、朝日を浴びることでスイッチがオンになるようにできています。だから、ダイニングはできるだけ朝日が射し込む東側に配置しましょう。四方向を建物に囲まれた我が家は、朝から電気をつけています。もう少し土地が広ければ、天窓や吹抜け、中庭を設けるなどして、採光対策を打てたのですが・・・。
それほどダイニングはとても大事な空間なので、家具と照明にもこだわってほしいと思います。
ダイニングテーブルを、床の色や質感に合わせたり、キッチンと同じ色にしたり。最近は、ちゃぶ台のような昔懐かしい丸テーブルを選ぶ人も増えましたね。
椅子は長時間座っても疲れにくく、耐久性の高いものを選びましょう。長い期間使用するものなので、劣化しやすい安いテーブルや椅子を購入すると、結局何度も買い直すことになります。
照明は好みですが、ペンダントライトはすぐにホコリが溜まるので、掃除が苦手な人にはお薦めしません。
ダイニングテーブルをキッチンの向かいではなく、真横に配置してみませんか。こうすることで、いちいち回り込む手間が省け、配膳や片づけをしやすくなります。
見た目の美しさにこだわりたいなら、キッチンの床を下げて、高さをダイニングテーブルに合わせてはどうでしょう。費用はかかりますが、キッチンに立つ人とダイニングテーブルに着席した家族の目線が同じ高さになり、会話もより弾みます。キッチンとダイニングテーブル一体型のデザインも素敵ですね。
キッチンの横、あるいはダイニングテーブル下の床にコンセントを付けるのもお忘れなく。鍋料理や鉄板焼きをするときに延長コードが要らなくなるので便利ですよ。
子どもが自分の部屋ではなく、ダイニングテーブルや、キッチンから近いカウンターで勉強するスタイルがすっかり定着しました。私が取材で伺うお宅も、8割以上のお子さんが「ダイニング学習」をしています。
親は料理をしながら子どもの学習の進み具合がわかると、手応えを感じているようですが、子どもにとってはどんなメリットがあるのでしょうか?
第一に、ダイニング学習は勉強を始めるまでのハードルを低くしてくれます、帰宅後、自分の部屋で勉強しようとすると、電気をつけたり、エアコンをつけたり、やらなければならないことが多く、どんどん億劫になります。一方で、家族がいるダイニングはテーブルの上に学習道具を広げるだけ。すぐに勉強を始められるので、それが習慣になれば時間を有効に使えます。
次に、親がそばにいるので、勉強中に疑問があればすぐに聞けます。たとえ勉強に関係のない話題でも、いつでも親と話ができる環境は子どもにとって安心感につながります。兄弟がテレビを見ていたり、ゲームをする音がうるさかったりする場合もあるでしょうが、そんな雑音も気にならない集中力がつき、受験本番に強い子どもになるような気がします。
ただ、中学生になると勉強時間が長くなるので、お父さんはリビングでテレビを見ることがなかなかできません。寝室にもう1台テレビを設置すれば、誰に気兼ねすることもなく映画やスポーツを見ることができますよ。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住


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