COLUMN

連載 第26回 独断と偏見! 間取り・設備のアドバイス ①外観

2021.09.08

「いい家」というのは、性能も素材も良くて、それなりに予算も手間もかかります。それでも、限られた予算の中で満足できる家を建てたい方のために、私がこれまで取材してきた家で、「これはいい!」と思った間取りや動線、「自分なら次はこうする」と感じた設備や外構などについてご紹介します。
もちろん、ここに書いたすべてがあなたにとっての正解ではありません。参考程度にお読みなってください。

住まいの第一印象を決めるのが外観デザインです。みなさんも住宅雑誌やホームページの施工事例を見て、真っ先に注目するポイントではないでしょうか。
私は職業柄、外観のデザインを見ただけで、その住宅会社のデザイン力がおおよそ判断できます。

多くの場合、建て主さんの好みを聞いた上で、設計士が屋根形状、屋根と外壁のカラー、素材、全体のプロポーションを提案して決めます。
ただ、場所によっては建物の高さや影などに関する法規則があるので注意が必要です。
例えば、大きな屋根をつけたことで隣家の日当たりを邪魔することになっては、今後のお付き合いにも悪影響を及ぼしかねません。
以前、高級住宅地に某有名人が建てた家の外壁があまりにも奇抜な色だったため、近隣住人から訴訟を起こされたこともありました。

設計士なら誰でも承知していることですが、外観デザインは、周囲の街並みや景観に自然に溶け込むように考えることが大前提です。なおかつ、主張しすぎないけれども人とはちょっと違うデザインにする、それは設計士のスキルと感性次第ということになります。
外観デザインがカッコいいと、帰ってくるたびにワクワクするし、自分に自信が持てるようになる・・・というのは私だけでしょうか(笑)。

屋根や外壁は、紫外線や雨、風の影響を直接受けるので劣化しやすく、塗り替えるとなるとかなりのコストがかかります。住宅ローンを払いながら、修繕費も払うのは負担が大きいので、ALCパワーボードやガルバリウム鋼板など、軽量で耐候性の高い素材を選びましょう。
最近は、塗り壁でも長期間メンテナンスフリーで、透湿性、伸縮性のある素材も増えてきました。

屋根の形状にもいろいろありますが、これもデザインや好みだけで決めるのではなく、日当たり、風の通り道、ソーラーパネルの設置などにも関係してきますから、設計士とよく相談してください。

text. 木村 大作

毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住

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