
連載 第23回 お金をかける優先順位 ④窓
内装材に使う木には、天然の丸太をそのまま切り出した無垢材と、薄い板を接着剤で何枚か貼り合わせた集成材の2種類があります。
私が自信を持ってお勧めしたいのは無垢材です。無垢材をふんだんに使って建てた家は空気がきれいで、毎日森林浴気分を味わえます。伐採された後も強度が増し、調湿性にも優れているので、家が長持ちします。
また、構造材によく使われるヒノキやスギから発せられる香り成分「フィトンチッド」が自律神経に作用して血圧を下げ、脈拍を安定させるという効果があると医学的にも認められているんですね。
「無垢材は高いし、手入れが大変だからやめた方がいいですよ」、と説き伏せようとする住宅会社の営業マンがいますが、屈しないでください。それは作り手がクレームを回避するための口実に過ぎません。
確かに、無垢材は夏の間は湿気を吸って膨張します。冬は乾燥して収縮します。それによって、フローリングの隙間が空いたり、ドアの閉まり具合が悪くなる場合もあります。でも、それをデメリットと捉えるよりも、「木が生きている、呼吸している証と受け止めてみてはいかがですか」、と住宅のプロなら提案してほしいですね。
床のキズや凹みは簡単に修復できます。子どもがおもちゃを落としてつけたキズ、食べ物や飲み物をこぼしてつけたシミは味わいとなり、家族の思い出とともに家も成長していくのです。
香りが豊かで、肌触りも気持ちよくて、時とともに味わいを増していく無垢材。その効果と感触を知らないのは、炊きたての白いごはんの味を知らずに人生を終えるのと同じぐらい、もったいないことだと思います。
私が住宅ジャーナリストとして無垢材を推すのは、他にも理由があります。それは、地域の木材を使った家を建てることが地域の森と水と空気を守り、地域の林業を活性化させ、さらに子どもたちの未来の暮らしを守ることにもつながるからです。
日本の国土に占める森林面積の割合は、約70%にも及びます。それなのに、その森林資源は有効に使われておらず、木材の自給率は30%程度にとどまっているのが現状。
人工林は、適切な手入れをしなければ枯渇してしまいます。植林・育林・伐採という再生産循環を継続することの大切さを多くの人に知ってほしいですね。
これは私も含めて、家づくりに関連する仕事に就いている人すべてに課せられたミッションだと思います。
もちろん、人によって家づくりの価値観は違うので、無垢材ではなく集成材を選ぶのもアリだと思います。
無垢材より掃除しやすいし、否定するつもりは全くありません。最近は表面の数ミリだけ無垢材で、その下層が集成材というフローリングもよく見かけます。色や質感のバリエーションも豊富です。費用は無垢材とそんなに大差がないので、最後は好みだと思います。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住
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