
連載 第22回 お金をかける優先順位 ③断熱・気密(後編)
冬場、室内の熱は50%以上が窓から逃げていきます。
夏は70%以上の熱が窓から入ってきます。
そのため、窓の断熱性能を上げることで冷暖房費用を節約できるだけでなく、カビやダニの発生原因にもなる結露を抑えることができます。
窓は、とても大事な役割を果たしてくれているんです。
現在の窓は、2枚の板ガラスの間に空気層(16ミリのアルゴンガス入り)を入れたペアガラスが主流ですが、夏場の強烈な陽射しをカットしたい部屋には遮熱タイプ、冬場の暖かい光を取り入れたい部屋には断熱タイプと、目的に応じて窓を変えてみるのもいいと思います。
とは言っても、なかなか家づくりビギナーには判断できないと思うので、『納得住宅工房』のコンシェルジュさんに相談してみましょう。
窓から逃げたり入ったりする熱量は大きいため、窓の断熱性能を高めることはとても重要です。
しかし、窓に求められる役割はそれだけではありません。季節ごとの太陽高度、風の向きなどを考慮した上で、窓の大きさや位置を決めるべきです。
窓は大きさよりも位置が大事だと言われます。
高温多湿の日本で、住宅の最大の敵は「湿気」です。
風通しのいい室内環境を実現するために、窓を低い位置と高い位置で対角線上に設置したり、東西南北に風が抜けるように工夫したりすることが大切です。
洗面脱衣室は北側に配置する場合が多いので、高い位置に細長いスリット窓(ハイサイドライト)を設けて、十分な光を採り込みましょう。
北側からの光(ノースライト)は南・東・西側からの光よりもやわらかくて、長時間に渡って安定的な光を届けてくれます。
また、窓は採光や通風、断熱や遮音だけでなく、家の中と外を結ぶ架け橋にもなります。
玄関ホールのピクチャーウィンドウ(FIX窓)から坪庭の紅葉が見えたり、トップライト(天窓)から月や星空を眺めたりと、景色を切り取る役目も担っているのです。
予算に余裕があれば、ぜひフルオープンの全開口サッシをリビングに取り入れてほしいですね。
室内から見える景色が一気に広がり、外と中の一体感が生まれ、より開放感を味わうことができます。
アコーディオンのような折れ戸タイプは壊れやすいので、開閉がラクな引き戸タイプをお勧めします。
ただ、窓が占める面積が大きいということは、それだけ壁の量が少なく、熱の出入りも多いということなので、耐震構造と断熱性能に十分な配慮が必要となります。
最近はトリプルガラスの高性能サッシを勧める住宅会社も徐々に増えてきました。
御殿場や富士宮周辺など、冬に積雪するエリアや線路沿いなどで騒音が気になる立地は別ですが、年間を通じて比較的温暖な静岡県に住むのなら、ペアガラスで十分だと私は思います。
これまで4回に渡って、お金をかける優先順位として、完成してからでは変更が難しい重要な箇所(①構造・工法 ②外装(屋根・外壁) ③断熱・気密 ④窓)について書いてきました。
次回から、無垢と自然素材、設備仕様、エクステリアの順番でご説明します。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住
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