連載 第20回 お金をかける優先順位 ②外装(屋根・外壁)

「断熱」と「気密」は、健康やランニングコストに大きく影響してきます。ここを疎かにすると、快適に暮らすことが難しくなるので、なるべくわかりやすく、2回に分けて書いてみたいと思います。
「ヒートショック」という言葉を聞いたことがありますか? 暖かいリビングから寒い脱衣室やトイレに移動するなど、急激な温度変化に伴う血圧の変動で起こる健康被害(心筋梗塞や脳梗塞など)のことです。なんと、年間約17,000人もの方がこのヒートショックで命を落としているのです。
この数字は、年間の交通事故死亡者の約5倍にあたると言われています。
ヒートショックを防ぐには、断熱性能を高くして、住居内の温度差を小さくすることが必須です。
断熱が不十分な家ほど結露しやすく、カビが生えてダニが繁殖するため、気管支喘息やアトピー性皮膚炎など、アレルギー疾患を引き起こしやすくなります。
徒然草に「家の作りようは、夏をむねとすべし」とありますが、家創りで「涼しさ」を重視するのは昔の話です。
今、冬に18度を下回るような寒い家で過ごすと、心血管疾患をはじめ、さまざまな病気を発症するリスクや死亡率が高まり、さらには脳年齢にも悪影響を及ばします。
突然死の約65%が自宅の居間(浴室ではない)で起きているという衝撃のデータもあります。
以前、健康科学を専門に研究されている大学教授に取材したことがあります。その先生によれば、夜中の0時に居間の室温を18度以上に保っていた人に対して、18度未満の家に住んでいた人は、高血圧症を6.7倍も発症しやすいという結果が出たそうです。
また、別の大学教授が大阪府で行った調査によれば、脱衣室の平均温度が12度の家に住む人に比べて、14度の家に住む人は健康寿命が4歳も伸びていたことが判明。
つまり、「暖かい家は病気になりにくい」ということ。住宅は、バランスのとれた食事・適度な運動と同じように健康と密接につながっているんですね。
最近はSNSが発達し、断熱や気密も簡単に学べるようになりました。構造や性能といえば、以前はご主人しか興味を持たなかったものですが、今は奥さまも「UA値とC値はいくつですか?」と気にする方も増えてきました。
ただ、いくらお金をかけて優れた断熱工法、断熱材を使ったとしても、それだけでは不十分です。
断熱とは、熱を逃がさない、あるいは入ってこないようにするための補助的なもの。いかに、冷暖房を効率よく、長時間キープすることができるか、それを支えるのが断熱材の役目です。
四季を通して快適に過ごせる住環境を実現するには、
家のつくりで「パッシブデザイン」を取り入れる
↓
断熱や遮熱で外の熱を遮断、保温する
↓
冷暖房設備で室温を調節する
この順番が理想です。断熱を考える前に「家のつくり」を整えることが大事なんですね。
家の断熱性能が乏しいまま機械設備に頼ってしまうと、光熱費が膨れ上がるだけでなく、人間が本来持っている免疫力の低下を招きます。さらに、原発問題やCO2など、環境保全にも大きな影響を及ぼします。
そうならないためにも、太陽や風などの自然エネルギーを上手に利用する「パッシブデザイン」を取り入れましょう。この話は次回で。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住


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