COLUMN

連載 第33回 独断と偏見! 間取り・設備のアドバイス ⑦浴室・寝室

2021.10.27

玄関、キッチンと並んで、アパートと一戸建ての大きな違いに広い浴室が挙げられます。掃除の手軽なユニットバスが主流ですが、床から浴室の下半分を工場で組み立て、壁と上部分は自由にデザインできるというハーフユニットバスにこだわる方もいます。

たとえば、壁と天井に香り豊かなヒノキを張ったり、天窓を設置したりすると温泉のような贅沢な気分を味わえます。最近はスピーカー内臓のユニットバスを標準化する住宅会社も増えてきました。

「新築するなら、できるだけ広いお風呂にしたい」という声をよく聞きます。ある有名な建築家も言っていますが、自宅のお風呂は足を伸ばして入れるだけのスペースがあれば十分です。たまに、広〜い温泉に行くからこそ旅行が楽しいと感じられるのですから。
浴槽を広くするよりも、洗い場や脱衣所を広くとった方が日々の暮らしの満足度は高いと私は実感しています。

浴室の一番の悩みはカビです。使用後に速やかに水蒸気や湯気を排出させるためには、換気扇だけ回しても効果は望めません。低い位置に大きな窓を設置することが有効です。浴槽から20cm高い位置に大きめの窓を付けると、水蒸気が抜けやすくなります。その窓からライトアップされた坪庭の紅葉が見えると、露天風呂気分を味わえるかもしれませんね。

お風呂掃除は億劫なものですが、一級整理収納アドバイザーに聞いたところ、毎晩最後に浴室を使った人がボディタオルで浴槽と壁を拭くだけでも十分キレイになるそうです。ちなみに、私も毎晩実行しています。

s19.10.16_01_0083.jpg

トイレと浴室以外の床は、全室無垢材にすべきだというのが私の持論ですが、寝室だけは絨毯を敷き詰めてみるのもいいと思います。ホテルのような非日常感を味わえて、ゆったりとした気持ちで過ごすことができます。絨毯の繊維が音を吸収する効果もあります。天井も他の部屋より低くした方が落ち着きます。

壁と天井の色はダーク系にしましょう。我が家は特に何も考えずに、リビングと同じ白い漆喰にしたのですが、夜明け前にはもう明るくなって、睡眠が浅くなります。今はもう慣れましたが、昼寝したいときもアイピローが欠かせません。

寝室内に夫婦のウォークインクローゼットを作る方も多いと思いますが、両方向からアクセスできるウォークスルークローゼットだと使いやすく、動線も便利です。壁はキリ材がオススメ。きものを収納する桐箪笥と同じ原理です。

本棚や飾り棚で寝室とクローゼットを緩やかに間仕切りするのもいいですね。その一角にカウンターを造作すれば、立派なリモートワークスペースができ上がります。

1日のうちに、短くてもいいので、自分の好きなことができる時間があると、疲労やストレスの量も減ってきます。
たとえば、お風呂に長く入るとか、週1回はジムに行くとか、そんなルーティンを持つことで心身のバランスを保つことができ、自分を見失わずに済むような気がします。私の場合は寝る前の読書。どんなに疲れていても少しだけ本を読みたいのですが、寝室に読書灯を付け忘れたので、仕方なく書斎で読んでいます。








text. 木村 大作

毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住

kimura400.jpg

サイト内検索