連載 第14回 イメージをどう伝えるか?

私は住宅ジャーナリストとして、これまで静岡県・愛知県を中心に3,000棟以上の住宅を取材してきました。毎年200棟以上の住まいを拝見し、さまざまなメディアに記事を書かせていただいています。そんな私は、今から7年前に『納得住宅工房』で自宅を建てました。そこに至るまでには、感動的なドラマがあったのです。
「たくさんの住宅をご覧になっているから、ご自宅はきっと素敵なんでしょうね?」と取材先でよく聞かれます。実は、こんな仕事をしていながら、自宅を建てるタイミングを逸し、賃貸アパートを転々としていました。
気がつけば50歳目前。もはや長期の住宅ローンを組めず、仕方なくローコスト住宅専門のハウスメーカーと仮契約を結びました。自分にもしものことがあっても、家族に一軒家を残せれば、最低限の責任は果たせると思ったのです。
そして、忘れもしない2013年2月20日。A様邸の取材が我が家の運命を変えるきっかけになりました。私がインタビューする前に、ご主人が開口一番こう言いました。「実は僕たち、2度目の新築なんですよ」。えっ? と私は耳を疑いました。どう見ても、そのご夫妻は30代前半だったからです。
事情を聞くと、初めて建てた家が日当たりも風通しも悪く、砂埃まで入ってくるような欠陥住宅だったそうです。「こんな不快な家に住んで、この先35年も住宅ローンを払い続けるのかと思ったら、震えが止まりませんでした」。奥さまが当時を思い出し、うっすらと涙を浮かべながらこう言いました。たまたま私が住宅雑誌に書いていた『納得住宅工房』の記事をご主人が読み、コンシェルジュさんに相談したそうです。運よく、土地と建物を売却することができて、今度は理想通りの快適な住まいを建て、幸せな暮らしを手に入れたのでした。
ご夫婦の話を聞きながら、私の頭の中には映画「ロッキー」のエンディングテーマがリフレインしていました。
本当は『納得』さんで新築したいんじゃないのか。そうだ、夢を簡単に諦めてはいけない。家族を幸せにするためにも、自分が心から納得できる家を建てるべきだと気づきました。
取材後の興奮も冷めやらぬまま、『納得』さんに電話をかけました。そしてキャンセル料を払い、ローコスト住宅メーカーとの仮契約を白紙に戻しました。
さて、そこからが大変です。妻にどう説明すればいいのか? アパートに帰り、恐る恐る「家のことで相談があるんだけど」と言いました。すると妻は「納得さんで建てたいんでしょ? あなたが本当に建てたいと思える家を建てるべきだと思うよ」と背中を押しくれたのです。もし、あのときA様邸を取材していなければ、今ごろ後悔しながら、不満だらけの家の住宅ローンをせっせと払い続けていただろうと思います。
では、誰よりも多くの住宅を見てきた私が、なぜ『納得住宅工房』さんで自宅を建てようと思ったのか?
それは次回のコラムでご説明します。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住


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