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住宅ジャーナリストが建てた家/失敗しない家創りのルール第16回

2022.01.14

毎年200邸、累計3000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト木村大作氏による家創りに対してのコラム。

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累計3000棟の住宅を取材してきた私が、nattoku住宅さんで建てた自宅をご紹介します。

延床面積は27坪で、平均的な坪数よりもずっと小さいです。でも、3人家族で暮らすにはちょうどいい大きさで、娘が巣立った後(想像もしたくないですが)も、無駄な部屋がなく、末長く快適に過ごせると思います。
我が家の立地は四方向を建物に囲まれているため、1階の日当たりは最悪。しかし1か所だけ、開放的で明るい空間があります。それは玄関ホールです。建物の大きさの割に贅沢なほど広いスペースで、外から帰ってきて玄関ドアを開けた瞬間、ピクチャーウインドウに視線が抜けていきます。このわずかな「抜け感」を見逃さなかった久保デザイン、さすがです。
床に600角のタイル、上がり框に白い大理石を貼って高級感を演出。さらに、イタリア製の真っ赤なリビングドア「レーベル」が鏡面の美しい輝きを放っています。

暮らしのメインステージとなるLDKは、イタリアのリストランテをイメージ。毎日でも人を招きたくなる自慢の空間です。
nattoku住宅オリジナルのキッチンも食器棚もパントリーの建具もすべて白で統一しました。
キッチン側の床を7センチ下げて、ダイニングテーブルとの高さを合わせたことで、料理をする妻と食卓につく家族の目線が合い、より会話が弾みます。
床は無垢のカバザクラで、スクラッチ加工の凸凹感が足裏に心地よく馴染みます。白い塗り壁は漆喰で、湿気を吸ったり吐いたりしてくれるので、蒸し暑い今の時期でも室内は快適そのもの。漆喰は、いかに真っ平らに塗れるが職人の腕の見せ所だそうで、7年経った今も全くひび割れしていません。

トイレは、壁に調湿・消臭効果に優れた薩摩中霧島壁を採用。芳香剤が要らないほどの高い消臭力があると同時に、表情豊かな塗り壁に自然素材特有のやさしさを感じてリラックスできます。
スケルトンの鉄骨階段を上がると、いちばん奥に私の仕事場である書斎があります。天井は杉板、床は無垢のフィレンチオーク、壁は薩摩中霧島壁です。造作の長いカウンターはカリン材で、時の経過とともに艶やかさを帯びてきました。執筆しながらふと見上げると、細長い窓に青い空と白い雲が見えて癒やされます。
背中越しには、敬愛する村上春樹、向田邦子、沢木耕太郎、小池真理子らの著書が並ぶ大容量の本棚を創ってもらいました。私にとっては一生の宝物であり財産です。

サニタリーも白で統一し、大理石の床、モザイクタイルの壁など、リゾートホテルっぽいデザインが気に入っています。浴室もランドリーも2階にあるので、洗濯物を干す際も、移動距離が短くてラクラクです。
子ども部屋は4.5畳。小学生までは1階のダイニングテーブルで勉強し、中学生になってから使い始めました。子ども部屋があまり広いと、居心地が良くて1階に降りてこなくなりそうなので、この位の広さでよかったと思っています。

7年住んでみて感じるのは、ローコスト住宅メーカーとの仮契約を破棄してまで、『納得住宅工房』さんで建てて本当によかったということ。後悔や不満は全くありません。むしろ、新築時よりも今の方が満足度が高いので、家を大事に扱うようになりました。
子どもの成長とともに、これから我が家がどんな風に熟成していくのか、楽しみです。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住
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