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土地さがしのポイント/失敗しない家創りのルール第11回

2022.01.04

毎年200邸、累計3000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト木村大作氏による家創りに対してのコラム。

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あなたにとって「いい土地」とは、どんな土地ですか? 日当たりがいい、広くて正方形、駅から近い、近隣に商業施設が多い、小・中学校が徒歩圏内にあるなど、人によって「いい土地」の価値観は異なるものです。

ただし、100%好条件が揃った完璧な土地は存在しないし、あったとしても相当高いはず。家創りの主役はあくまでも建物です。土地に予算をかけすぎると、建物を小さくしたり、性能や素材の質を落とさなければならなくなり、理想とする住まいからどんどん遠のいていきます。
家創りの初心者が「いい土地」を見極めるのは至難の業です。たとえば、その土地の周りに背の高い障害物がなく、隣も空き地で、太陽光が燦々と降り注いでいたとします。でも、数年後に隣に住宅や店舗が建たないという保証はありません。

エリアによっては、建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)が決められていたり、日当たりや風通しに関わる斜線制限や日影制限、防火規制、市街化調整区域、風致地区などの法規制が影響してくる場合もあります。何も知らずに先に契約してしまい、設計する段階になって「この地域は屋根を高くすることができない」と気づいても遅いのです。

また、目の前に公園があるから子育てに最適!と喜ぶのも早すぎます。散歩する人の視線が気になって1日中カーテンを閉めたり、その公園で毎朝ラジオ体操が行われたら、安眠を妨害されます。周辺環境は、自分の力で変えることができないので、朝昼晩と時間を変えて事前によく確認しておくことが大事です。

いいなと思える土地が見つかったら、自分たちだけで判断せず、納得住宅工房のコンシエルジェさんに現地を一緒に見てもらいましょう。住宅のプロは、素人が気づかない長所・短所を容易に見極め、アドバイスすることができます。

最近の異常気象で、大雨による床上・床下浸水のリスクも気になりますね。せっかく新築したのに、浸水で住めなくなってしまっては悲劇です。市区町村でハザードマップ(災害予測図)を配布しているので、購入したい土地が災害に強い地域かどうか、必ず調べておきましょう。地盤調査で弱いと判断された場合、地盤改良費が別途発生することをお忘れなく。

ところで、私が取材でよく聞くのが、「子どもを転校させるのがかわいそうなので、学区内で土地を探しました」という話。わからないでもありません。でも、長い人生で子どもと一緒に暮らせる期間は意外と短いものです。高校を卒業すれば巣立っていきます。その後の夫婦2人で過ごす時間の方が圧倒的に長いのです。少々学校から遠くても、友達と寄り道しながら遊び、歌い、時にはケンカしながら家路につく。それも子どもたちにとってかけがえのない思い出になるのではないでしょうか。学区優先で大事な土地を決めるのはどうかと思います。

比較的安い土地というのは、旗竿地や狭小地、お墓ビューなど、立地条件が悪く、敬遠されがちな土地です。でも、見る角度を変えれば、個性的な面白い間取りができるし、設計力でハンディを魅力に変えることも可能です。

100人のうち99人が気に入らなくても、あなたが気に入って、理想の暮らしができる土地だと思えたなら、それはあなたにとって最高の「いい土地」なのです。
text. 木村 大作
毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住
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