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ちょうどいい家の大きさとは?/失敗しない家創りのルール第6回

2021.11.18

毎年200邸、累計3000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト木村大作氏による家創りに対してのコラム。

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家の大きさは、どのくらいがちょうどいいと思いますか? 私がいつも取材でお邪魔する家のほとんどが延床面積30~35坪前後です。ちなみに、我が家は27坪ですが、狭いと感じたことはありません。

多くの方が、子供の誕生や両親との同居を契機とするように、新築はその家族が最大の人数になる時期に計画されることが多いですね。だから、大きな家を建てたくなるのも無理はありません。でも、そこから家族はだんだんと減っていきます。子供は独立して巣立ち、親は亡くなり、やがて夫婦もどちらかが先にいなくなります。すると、せっかく大きな家を建てても、ほとんど使われない空き部屋が生まれます。

人が適度な運動をしないと血液の循環が悪くなるのと同じように、家も全体の稼働率が低くなると劣化していきます。コロナ禍で在宅時間が増えたいま、家が大きすぎると、家族がそれぞれの個室にこもってしまい、会話が減ってしまう恐れも。

一概には言えませんが、長いスパンで考えると、家は大きすぎず、どちらかというとコンパクトにつくる方が得策だと思います。家をコンパクトにつくると、イニシャルコスト(初期費用)もランニングコスト(光熱費やメンテナンス費)も抑えられます。常に家族の気配を感じあえるので、絆も深まります。子供が独立した後も無駄な部屋がなく、使いこなすことで"家全体がいつも呼吸する"ので長持ちします。

じゃあ一体、何坪ぐらいの家がちょうどいいの?という話ですが、大切なのは、数字上の広さではなく、広く感じられるかどうかです。小さい家=狭い家ではありません。実際の延床面積が小さくても、プロの設計力で開放的な空間をつくることができます。

いつも「上手いなぁ」と感じるのは、空間が単調ではなく、抑揚がある家。音楽でも音量やリズムに緩急があるように、家のプランにも天井が高い・低い、部屋が広い・狭い、明るい・暗いといった変化をつけることが大事です。

特に高低差を利用することがポイントで、たとえば、玄関の天井は低めに抑え、ダイニング、リビングへと向かうにつれて段々高くなると視界が広がり、小さな家でも開放感と奥行きを感じられます。

天井まで届くハイドア(建具)を取り入れるのも、空間を広く見せる手法の1つです。

「コンパクトに建てて豊かに暮らす」。これが令和の家創りのキーワードになるかもしれません。

木村大作

毎年200邸、累計3,000邸以上の住まいを取材する住宅ジャーナリスト。2014年、静岡にあるホームビルダー納得住宅工房で自邸を新築。著書に「失敗しない家づくりの法則」がある。浜松市在住。
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