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日本の人口の半分のイタリアがなぜデザイン先進国になれたのか/イタリア目線の家創り第2回

2021.11.30

自然素材とデザインにこだわった家創りをかなえる全国の工務店を紹介するハウジングサイト・納得スタイルホームの代表の星野貴久氏。若かりし頃、単身でイタリアに渡り、デザインやインテリアに携わってきました。その知識を活かしたイタリア目線での家創りなどを解説していくコラムです。

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皆さんはイタリアのデザインと聞くと何を想像されますでしょうか。

車の好きな方でしたらフェラーリやランボルギーニ、ファッションが好きな方でしたら、アルマーニ、グッチ、ボッテガ・ヴェネタ、プラダ、フェンディ、などなど。その他、小物のアレッシ、家具ならカッシーナ、B&B、と様々なカテゴリーでイタリアブランドの名前を思い浮かべるのではないでしょうか。
イタリアの人口は、日本の人口の約半分の6000万人ですが、なぜこれほどイタリアのデザインが世界で認められているのか不思議ですよね。

イタリアに移り住む前、私は「イタリアのデザインを学びたい」という気持ちであふれていました。渡航前の勤め先はイタリアブランド「アルフレックス」のソファーを作っていた、「椅子の神様」と言われている宮本茂樹さんが設立した椅子張り工場で、間接的にイタリアのデザインに触れていました。そこに「星野君、出来たらイタリアに行って色々見たほうがいい、イタリアの革は最高だよ」と口癖のように話してくれた職人さんがいたことも、イタリアで学びたいという気持ちになった要因だと思います。

イタリアのデザインと言いますと高級ブランドのイメージが強いので、とても洗練されていて華やかな世界を想像しておりましたが、実際に見て感じたことは、どこかアナログで人間味にあふれていたということです。

なぜ、そのように感じたかといいますと、まず、デザインだけが独立しておらず、あくまでも「ものづくり」の延長線上にデザインがあるということ、そして都市部ではなく、地方で生み出されていることが多かったからです。あの華やかなランボルギーニの本社は畑のど真ん中ですし、高級セレクトショップに入っているイタリアの新興メンズブランドなども、ものすごい田舎が本社ということが多いのです。
そのような時間の流れが緩やかなところで、「あーでもない、こーでもない」と現場(職人)と話しながら新しいものを作り上げています。そのような現場を見続けるうちに私は「デザインを学ぶということは、形作りを知ることではなくそれを生み出す人々やその人たちが暮らす環境をよく知ることだ」、こう思うようになりました。

よくイタリアンデザインの色使いは独特だと言われてきました。それは澄んだ空や海の蒼さ、家の軒先や野に咲く花の色、市場に陳列される野菜の艶やかさを日常で感じ、それがイタリア人の豊かさや幸福感に直結していているからだと思います。

イタリアのデザインは、イタリア人の豊かな生活や環境の上に成り立っていて、デザインとは豊かさを表現することなのでしょう。イタリアの製品は豊かさを感じられるから世界中で求められているのかもしれません。
日本にも素晴らしい文化や環境がたくさんありますが、それに気づかずに通り過ごしていることが自分自身まだまだ多いと感じています。豊かさを感じられるような心の余裕を持ち、そしてお客さまに豊かな暮らしをご提供していきたいと思います。
納得スタイルホーム
代表取締役
星野貴久

イタリアの有名家具ブランド、アルフレックスの椅子張り職人をはじめ、建材メーカー、家具メーカー、アパレルブランドのエージェントとして16年間をイタリアで生活。100社以上のイタリアメーカーを日本上陸させた経験を持つ。工務店の業務を支援し、納得住宅工房の家創りを全国に広める納得スタイルホームに2014年入社。2019年に代表取締役社長に就任する。イタリア建材の伝道師にしてルパンフリークな2児のパパでもある。
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